「んー女子の衣装だけどオーソドックスに学ランとか……まだ時間あるから、男装コスとか」
「うん、簡単なやつなら女子たちで作れそう」
「じゃ、それできまり」
水瀬くんはそういうと、白紙の紙にすらすらと書き始める。
帰り、私たちは回収した紙の案をまとめている真っ最中。
静かな教室、机の向こう側でプリントを見ながら、まとめている水瀬くんを見た。
形のいい瞳を縁どる睫毛が、プリントの字を追うたびに震える。
そんな姿をぼーっと見て、やっぱり水瀬くんってモテる人なんだなぁと改めて、感じる。
頼りになるし、それに誰に対しても優しい。
そんなことを考えてみていたからか、ふと水瀬くんが視線に気づいて顔を上げる。
ばっちり目があって、私はあわててそらす。
ああ、もういい加減に慣れないと……っ。自分の取った行動に後悔してしまう。
赤くなっていく顔を見られたくなくて、ずっとそらしたままでいるとくすっと笑う声が耳をかすめた。
「見惚れちゃった?」
「なっ」



