やばい、可愛すぎ。



『大っ嫌いっっ!』



怒ると思ったんだ。


だって、いつも厳しくて寡黙な人だったから、きっと今日も、今も───怒ってくれる。



『あんたなんかの娘になんて、生まれなければよかった!

 
 人の約束も守らないような───そんな最低な父親───!


 私は大っ嫌いだっっ!』



怒って。

いっそ殴ってくれたって、かまわない。


怒鳴ってほしかった、馬鹿野郎、父親に向かってそんな口をきくな、と。


お前は俺の娘なんだ、と叱ってほしかった。