「……だめ。絶対」
私が、どういえばいいものかと悩んでいると、窓の少し離れたところにいる皐月くんが、しかめっ面で、そういった。
「なんでそんなこと、御影くんが決める権利があるの?」
うわっ、水瀬くんの顔から笑みが消えた。
首を傾けながら、じっと皐月くんのほうを睨みつける。
その態度が癪に障ったのか、皐月くんはむすっと唇をかみしめて、……あれ、嫌な予感が。
「んなの、俺がこいつん家にすん───」
「───だ、大丈夫だよ!!!
全然、大丈夫!私のうちで全然!」
皐月くんってば、学校でそんなこと行ったら騒ぎになっちゃうよ!?
慌ててさえぎって、きっと皐月くんのほうを睨みつけると、皐月くんはぷいっとそっぽを無てしまった。
なっ可愛くないっ!



