「た、高梨くん大丈夫?」
「大丈夫ですっ!ねえ、お願いっ俺の勉強に付き合ってくれませんか!」
高梨くんがそういいながら、ばっと手をあわせて頭を下げる。
後ろでは、もう疲れたらしい皐月くんがため息を漏らしながら、すっと手を離してしまう。
「……いや、私は」
男の人が、苦手なので。
と断ろうとした、そのとき。
「いいんじゃない?」
「え、水瀬くん……?」
隣で、面白そうに目を細めながら、ぽんと手をたたいて、
「白井さんの家って大丈夫?」
「へっ!?私の家っ!?」
いきなり私の家を指定されて、狼狽。
でも、高梨くんの泣きそうな目が私の体を突き刺していく。



