「どう?」
「うん、それなら───」
と頷こうとした、そのとき。
バンっ!という音とともに、
「その話のったぁああああー!!」
窓から、高梨くんが顔を出して叫んできた。
一瞬、私はのけぞり、水瀬くんはうわー鳩時計みたいーと爽やかな笑みでさらりと言ってのけ、小夏ちゃんに関しては、きもっと短く言ってのける始末。
「いきなり飛び込むな」
……あ。
聞き慣れた声とともに、とびだしてきた高梨くんの襟首がぐいっと引っ張られ始める。
ぐえっとうめき声を漏らしながら、
「白百合姫と水瀬くんの二強がついてくれたら、俺赤点まぬがれられるじゃん!?」
と、必死の形相で窓枠を持ちながら、引っ張られるのを阻止している高梨くん。



