それはしょうがないよ、と水瀬くんが困ったように笑うと、
「もし案が出なかったら、こっちで考えたやつから多数決決めてもらえればいいから、
白井さん黒板書いてもらえる?」
「うん、了解しました」
お弁当の卵焼きをつつきながら、私はじっとプリントを見る。
そっか、もう学園祭。
期末テストとも委員会の仕事だぶっちゃっているし、ますます今から勉強しないと。
その不安が顔に出ていたのか、
「テストでお悩み?」
と、水瀬くんが聞いてくる。小さく私が頷くと、水瀬くんは驚いたように目を見開いて、
「白井さんってこの前一位だったよね?」
「ゆりはこう見えて努力家なのよ」
横から小夏ちゃんが、話を挟んでくる。
「まあ、期末テストとダブっているからかなり両立大変そうだけど」
「……そうなんだよね」



