目的の病室のドアを開けると、飛び込んできたのは、真っ白な、床。真っ白な、カーテン。真っ白な、天井。
そして───真っ白なベット。
「───あら、来てくれたのね」
そのうえで、細い点滴の管を繋げた……母の姿があった。
それに気づいたのか、罰が悪そうに微笑みながら、
「……ふふ、この前ね。久しぶりに外出許可が出てはしゃぎすぎてしまってね。
でも、大丈夫よ。これくらいなら、すぐに治るわ」
「……そう、ですか」
泣きそうに、なる。
母の姿を見ただけで、視界がぼやけて、今にも消えてしまいそうだった。
一歩、一歩近づく。
そのたびに、心臓がはち切れそうなほど大きく脈を打っていく。
「久しぶり、よね……?」
「……はい。
この前は、すいませんでした」
「私のほうこそ、何か事情があったのよね?驚かせてしまってごめんなさい」
そのやりとりは、小さい時の俺だったら今にも逃げ出していたんだろうけれど、震えが止まらなくて、苦しくてしょうがなかったんだろうけど。
……不思議と、今は落ち着いていられた。



