「してくれないの?」
「そ、それとこれとは……っ」
「なんだ、残念。ゆりは俺に勇気くれるって言ったのにね」
「……」
ますますゆりを追い込んでやる。
まあ、キスなんて期待してないけど。
きっと、皐月くんのばか、そんなからかう元気があるならいらないでしょう!って怒るに違いない。
そんな怒った表情も、可愛いからいいんだけど。
でも、
あんまりに、ゆりが下を向いて反応がないから、冗談だよって言おうとして───ゆりを見た、そのとき。
ぐいっと乱暴に服を引っ張られたかと思うと、ゆりの顔が想像以上に、近づいて───
───自分の頬に柔らかいものが当たった。



