そして、その週の日曜日。
すっかり体調が治った俺と、ゆりは翔太を知り合いの人に預かってもらった後、お母さんのいるという、病院まで行った。
病院の前までつくと、ゆりが心配そうに見上げながら、
「……大丈夫?」
と、聞いていた。
強がる勇気も、余裕もなくて俺は小さく笑いながら、震える手をゆりから見ないように隠す。
でも、あの時のような苦しさは、ない。
だって、ゆりが勇気をくれたから。……後悔のないようにって。
だから、俺は言ってやる。
「じゃあ、ゆりがここにキスしてくれたら、ちょっとはマシになるかも」
「っはっ!?」
俺が、頬を指さしてにやりと笑ってやると、ゆりはさっきの心配していた顔を180度違う、怒ったような、恥ずかしいのやら、まぜこぜの顔で俺を見上げた。
……ふ、可愛い。
って、俺はここまできてゆりをからかう元気だけはあるんだな。



