「どうしたの?すごい階段を駆け下りる音が聞こえたけど」
「……っ」
俺が、もしかしたらゆりがいなくなったんじゃないかと、駆け下りてきたことを露も知らず、
ゆりは鍋からスープをすくった後、テーブルに乗せて、
「ちょうどよかった。
今鶏と人参のしょうがスープできたところだよ」
「……ぇ、あ」
「皐月くん、体調はもう大丈夫?」
「……あ、まあ」
あんまりに自然すぎるゆりに、俺は思わず昨日のことを思い出して、顔が熱くなっていく。
うわ、恥ずかしすぎる……っ。
風邪で、冷静ではなかったとはいえゆりの前であんなことをしてしまうなんて……っ!
「どうしたの、皐月くんそんなところで突っ立って」
「……ナンデモナイデス」
口を押えながら、ゆりから視線を外してしまったことは、言うまでもなく。



