やばい、可愛すぎ。

「でも……っ」


言葉が、途切れ途切れになる。

息も続かなくなって、足元がふらついて───そのまま力をなくて、床に膝をついてしまう。


お母さんは、きっと自分のことを覚えていない。何一つ、覚えていない。



「皐月くんは、嫌だった……?」


「……ぇ……」


ゆりは、俺に視線を合わせた後幸せそうに口元を綻ばせながら、


「一緒にご飯食べたり、一緒にテレビ見たり、一緒に並んで帰ったり……。

 そうやって、一緒にすること……皐月くんは、嫌だった?」


「……それ、は」


思い出す。

初めて、一緒にご飯を食べたあの日。手をあわせてちぐはぐな掛け声で、温かなご飯を食べた。


一緒に翔太とテレビゲームしたり、遊んだりした。


ゆりと翔太と俺と、並んで帰った日。



そんな、他人から見たら当たり前な日々は───俺にとって。



俺にとって───