核心を突かれた問いに、俺は言葉を詰まらせてしまった。
「もう、会えなくなるかもしれないんだよ。
もう、声だって顔だって見られない日が来るかもしれないんだよ……?」
「……別に会えなくなって、平気」
会いたくない。
もう、二度と顔も声も後ろ姿だって思い出しただけで頭が痛くなる。
会いたくない、会いたくない、会いたくない……本当に……それは、本当に?
心がぐらつきそうになって、それをかき消そうと俺の声はだんだん大きくなっていく。
「もう会えなくても後悔しないの……?
自分のことを思い出してもらえなくても、本当に平気なの……?」
「もう会えなくなって構わないっ!
俺の名前を呼んでくれなくなって、全然っ───」
「……じゃあ、どうして」
とん、と足音が聞こえたかと思うと、視線の先に華奢なゆりの足があることに気付いた。
そのとき、時間が止まってしまったかのように、体が動かなくなってしまう、息をするのさえ忘れるほどに───
「───じゃあ、どうして」



