父と暮らしていたとき、忙しい父は一緒にご飯を食べる時間がほとんどなかったから、
夕飯も朝ごはんも、だいたい一人だった。
そのとき無言で食べるご飯の味は、何もしなかったけれど、今は薄味の卵粥がとてもおいしく感じられた。
ぼーっと窓の外を見る。
雨はすっかり上がって、空には雲一つない。
俺は最後の一口を食べ終えて、
「……ごちそうさま」
手を合わせた後、机の上に再び戻した。
そして、もう一度ベットにもぐって布団をかぶった。
あの雨に濡れたときよりも、随分と体が楽になった気がする。
ゆっくり瞼を閉じて、俺は小さく深呼吸をした。すう、はあ。
そしてゆっくり、ゆっくり暗闇に堕ちていくように───



