「貰ったのに、食べないんですか」 ───声が聞こえた。 すっと、心に入ってくるような。 高くもなく、低くもない、不思議な声音。 なんだと思って、振り返ると─── 「振るならプレゼントをもらうなんて、 期待させる行為、やめたほうがいいんじゃないですか」 透き通るような白い肌。 さらりと伸びた、黒髪。 人を寄せ付けない、冷たく凍ったような瞳。 華奢なはずなのに、凛と芯が通った手足は、まっすぐとこちらに向かってくる。