やばい、可愛すぎ。



心の奥底から、吐き出すような冷たい声だな、と自分で笑いそうになる。


驚いたように目を見開いて、瞳に涙をためていた。


「ごめんね」


「ま、まだ私のこと何も知っていないから───知ってくれれば、

 それからでいいのっ!」


「悪いけど───諦めて」


「っっ」


苦しそうに顔をゆがめて、何か言おうと口を開いたけれど、

結局は、何も言わないで教室を後にした。



しーんと静かになった、教室。


手に持った手作りのクッキーを握りしめていたことに、俺は気づいた。