熱くなっていく、頬。
熱い、熱い……熱い。
すうっと冷めていく、凍っていく冷たさも、痛さもなくて……ただ、熱い。
どうして、だろう。
皐月くんは男の子なのに。触れられると、震えてしまうのに、怖いのに。
───顔が、熱くなる。
「ねえ、ゆり」
「っぁ、はいっ」
いきなり呼ばれて、私は大きく肩を飛び跳ねさせながら返事をする。
「朝言ったこと、覚えてる?」
朝……?
今迄から、朝の出来事を思い出していって───私は固まった。
『ゆりの男性恐怖症は並みのことをしていても治らないと思う』
『だから、ある種のショック療法をしてみればいいんじゃないってハナシ』
その、意地悪な言葉の数々が、頭の中によぎったから。



