「───」 苦しくなる。 胸が、痛い。ちくり、なんて刺された痛さじゃない。 どしんと、何かが重いものが無遠慮に弱い、弱くてもろい自分の心にのしかかったような、 そんな重さ。 「……うるさい、もうその話するな」 「でも、皐月、」 「黙れ」 言ってしまった後に、後悔した。ひどく。 自分が思っている以上に、低くてどす黒い感情を吐き出していたから。 ごめん、も言えない素直じゃない自分に嫌気がさす。 気まずくなって───視線を逸らしたその時。