「御影くんは黙ってて」
「ミナセクンこそ、黙って引き下がりなよ」
「そもそも俺と白井さんは同じクラスなんだから、
白井さんとやるのは道理だと思うよ」
「そんな道理ないから、なに勝手に決めてんの?」
もう、どうしてこんなに二人とも仲が悪いの。
し、視線が痛い。
小さな声で、白百合姫って御影くんと付き合ってるの?とか、水瀬くんと付き合ってるって聞いたけど、とか白百合姫さすがだねぇとか、そんなひそひそ声ばかりが聞こえて、
私はだんだん肩身の狭い思いに、苛まれていく。
「あーえっと、ここは白井さんに決めてもらいなさい」
先生っそこで私に振らないでっ。
私の訴えもむなしく、皐月くんと水瀬くんどころか、図書室中にいる人の視線を集めている。



