俺はイライラしながら、お弁当を開いて卵焼きを箸でつかんで口に放り込む。
あーイライラする。
……やたらと美味しいのも、いらだってくる。
俺が険しい顔をしながら、お弁当をつついているので、
「え、え、え、ちょそれどうしたのっ!?
なに、え、皐月がお弁当!?
も、もしかして……白百合姫の手作り!?」
興奮気味に俺の机に身を乗り出して、やってくる。無視無視。
そして、
「もーらいっ」
いきなり横から手が伸びてきたかと思うと、残り一個のアスパラガスの肉巻きを勝手に口に放り込みやがる。
「んーおいし、って痛ってえええええええええ!!!」
いきなり高梨が頭を押さえてもだえ苦しんでいるのは、反射的に俺が頭をたたいたから。



