「───き、サツ……皐月っ!」 強く肩をたたかれて、俺ははっと我に返った。 思わず顔を上げると、心配そうに高梨が覗き込んでいるのが見えた。 「お前、顔色悪いけど……大丈夫か?」 「……んでもない」 周りを見渡すと、教室は部活で着替えているやつや、鞄を持って教室をでようとしている人。 ……もう、帰る時間だったんだ。 幼稚園に行かないと……ガキが待ってるし。 そう思って俺は、鞄に教科書を入れて立ち上がる。 「皐月、大丈夫かよ?足ふらついてるし、顔色悪すぎ」 「……気のせい」