あの変わらない、優しい温かな笑みで言った。 ───どうしたの?迷子かな? ───名前、教えてくれる? 「───っっ」 胸をぎゅうっと鷲掴みされているような痛みに、顔をゆがめた。 息が苦しくなって、必死に忘れようと消し去ろうと、頭を押さえる。 忘れろ、忘れろ、忘れろっ……! 他人なんて、きっと裏切る。 他人なんて、きっと忘れる。 だって───俺は家族にさえ、忘れられてしまったのだから。