「───はあ?まじで?居候?」
「あーうるさいな、音量下げろよ」
教室へ向かう、廊下でそいつ───高梨は、大声を上げて身を乗り出した。
それがうざくて、俺は片手で高梨の顔面を押し返す。
「お前のおとーさん外資系の仕事だもんなぁーお金持ち」
「普通の一般家庭」
「はー居候かっええっと……シライサン、だっけ?
もしかしたらシライサンのお宅に可愛い女の子とかいるんじゃね?同棲?」
体をくねらせながら、にまにました下品な表情で、高梨がそういう。
……あほか。
「アホらし。だからお前はモテないんだよ」
「……本当にモテる奴に言われると殺意が芽生えるな、その言葉」



