次の日、荷物を先に白井さんの家に送った後、
慣れ親しんだ自分の家に鍵をかけて、学校へ向かった。
が、学校へ向かう足取りは重い。
これはいつものこと。
校門を越える前から、ちらりちらりと刺さる視線にうんざりする。
それは、昨日の幼稚園児と一緒にいたときの視線ではなく、好機の視線。
1年の下駄箱まで向かうと、知り合いに遭遇した。
「おー!皐月おはよ!」
「はよ」
「相変わらず不機嫌そーな顔してんな、でこに皺よるんじゃね」
相変わらずの元気っぷりに、感心する。
まあ、こいつから元気をとったら何が残るってハナシだけど。



