もう、何も考えられなくて。
私は近くにあった石鹸を手に取って───
「でっ、出てってぇええええええええええええええっっ!!!」
思いっきり、御影くんめがけてぶん投げてしまったのだった。
「……ぅうう……絶対、怒ってるよね」
もうどうして私は、もうちょっと考えられなかったんだろう。
だ、だっていきなり、いきなり入ってきたから……。
そ、それに私は、はだっ……ぁ、ぅうう……。
思い出すだけでも頭に熱が上って、耳まで熱くなってきてしまった。
「まあ、御影くんに非はないよねぇ……もしかして、朝あんなおっきな絆創膏貼ってたのって」
「……私です」
小夏ちゃんが、よしよし慰めてやるおたべーと、どこからか取り出したポッキーをあーん、と私の前に差し出してくれる。



