ぎゅう、と両手にもったアイスに力がこもるのがわかった。
熱のせいで、じんわりと溶けはじめるアイスをじっと見つめていると、
頭の奥がじんじんと、揺れるように痛くなって。
───ずっと、待ってたら……きっともとに、戻るよね。
───きっと、もとにもどるよね。ぼくのこと、サツキってまた呼んでくれる……そうでしょう?
無機質な瞳。光の見えない、真っ暗な瞳。
その瞳はまるで───、まるで。
「───き、サツキ……?どーしたの?」
じっと俺の瞳を覗き込む、無垢な笑顔にはっと我に返った。
「っっ、別に何でもない」



