「て、停電?」
今の、たぶん雷だよね……?
雷でブレーカーが落ちちゃったのかな?
暗闇で足元がよく見えないけれど、これ以上流調にお風呂に使っているわけにもいかず、
私はお風呂から上がって、タオルを体に巻いた。
「んー……この辺にブレーカーあったっけ?」
脱衣所の壁の上のほうに、背伸びをして手を伸ばしてみるものの、
それらしきものにはぶつからない。
しょうがない、着替えて後でやろうと───自分の服に手を伸ばした、そのとき。
「たっだいまーおねーちゃん!」
弟の声とともに、脱衣所のドアがバン!と勢いよく開く。



