どうして、なんで素直に口にできなんだろう私。


でも、ずうずうしいって思われるかもしれない。


「あーあ」


蒸気がもくもくと上に上がっていくのをたどりながら、



「……おべん───」


その言葉を口にしようとした、そのとき。


───ドンッ!


「きゃっ」



小さな悲鳴とともに、ついていた明かりがぷちんと切れてしまった。


「な、何……?」

真っ暗で、何も見えない。

お風呂の電気をつけようと、ドアを開けてスイッチをカチっと押すけれど、電気はつかない。