「うーただいまー」
雨のせいで水を含んで重くなった制服の雫を払いながら、
まだ誰も帰ってきていない、家を見渡した。
「……寒い」
ずっと雨の中、走り続けていたせいか体は氷のように冷え切っていて、
私はぶるりと体を震わせる。
水にぬれた鞄と制服のブレザーを脱いで、私は家に上がった。
リビングを開けると、水にぬれているせいかますます寒く感じる。
私は制服をハンガーにかけて、カーテンレールのところにひっかけた。
「……くしゅっ……はあ、お風呂入ろうかな」
ぶるっと震えて、もう一度くしゅっと小さくくしゃみを漏らしながら、お風呂にお湯をはって温める。



