ようやくスーパーについて、好都合なことにこの大雨で、

スーパーの安売りに来ようという人はあまりいなかったみたいで、

予想よりも混雑することはなかった。


会計を終えて、スーパーの軒先からひょいっと顔を出すと、まだまだ雨は降り続いていて、

なかなか雨がやむ気配はない。


「……どうしよう」

ちょっと雨が止んでから、行こうかな。

ぽつり、と言葉を漏らして滴り落ちる雫を払い落とした。


ふと思い浮かぶ顔は、翔太と御影くんの顔。


……こんなに雨が降ってるけど、2人とも大丈夫かな。

御影くん、ちゃんと地図の通り幼稚園に着けたかな。



お目当ての卵と、牛肉、牛乳、野菜の入ったスーパーの袋をじっと見下ろして、



「……やっぱり、帰ろ」



スーパーの袋を鞄の中に押し込めて、私は雨のなか走り出した。