「───ほーつまり、いきなりお風呂に弟くんと、御影くんが入ってきて。
それでびっくりしたゆりは近くにあった、石鹸をぶん投げたと」
「……はい」
次の日、私は大きく後悔に苛まれていた。
机に伏せながら、同情のこもった小夏ちゃんの声を聴いて、ますますへこんでいる真っ最中だった。
そう、昨日。
つまり大雨で───私が、着替えをしているのを目撃された、昨日。
「まーなんというかドンマイ」
「うー絶対怒ってるよっ御影くん……。ついかっとなってやっちゃったんだもん……」
「カッとなってやったって、最近の切れやすい若者みたいだね。
……かっとなっての意味が違うけど」
小夏ちゃんのツッコみも聞こえないほど、私の心は沈みこんでいた。
目を閉じて、昨日のことを思い出す───



