白井が来たせいで、教室中の視線を集めていたのが、
ようやく薄らいで、次の授業の鐘がなった。
教室に入ってきた担任が教卓の前で、
「少し早い話だがー、文化祭の実行委員が───」
と、話しているのを聞き流して、ぼーっと窓から外を眺める。
その空は、黒く重い雰囲気をまとっていて、
太陽の光がたまに弱弱しくちらりちらり、見え隠れしていた。
天気予報だと降水確率は20%だって言ってたのに。
傘持ってきてねーな、と顔をしかめる。
その気持ちを嘲笑うように、ぽつぽつと大粒の雨が空から降り始めていた。
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