「あの、今日ちょっとスーパーで格安セールがあって」
「ん」
「その……私は手が空いてないから、翔太の幼稚園へお迎えに行ってほしくて」
……あの幼稚園児か。
渋い顔をしてしまいそうになるのは、俺があんまりガキが好きじゃないから。
けれど、視線を浴びながらそれでも来てくれた白井を、断りたくはなかった。
「……いいよ。別に」
「よかった……ありがとう、御影くん」
思わず抱きしめたくなるような、明るい笑みで白井が俺に笑いかける。
……落ち着け、俺。
白井はたぶん、自分がどう思われているかなんて絶対わかってない。



