「ぇ、ええ、えええええええーっ!?」
「うるさい黙れアホ」
あまりの大声に、教室中が白井に注目していた視線を、俺たちのほうに向けてくる。
あー面白い。
くすくす笑うのがばれないよう、口元を押さえながら、
「ほんと、それほんと!?」
「さあ?」
「ちょっ!教えてくれたっていいじゃないかよっ」
身を乗り出して、知りたそうにしている高梨が、
ご飯をお預けされている子犬みたいに見えて、ますます笑えてくる。
キンコンカンコーン、とちょうどいい具合に鐘が鳴って、
「座れよ、さっさと」
「皐月の意地悪っー!」
男にそんなこと言われてもうれしかねえよ、ばーか。



