むくり、と伏せていた顔を上げて、

にやりと微笑んでやる。


「高梨、教えてほしい?」


「えっ、マジで教えてくれんの!?」



俺は目を細めて、ゆっくりとみんながざわめく教室の窓の方向を指す。


そうすると、高梨は不思議そうな顔をして、誰だよと言う顔。


ぽかんとするあほ面を想像して、心の中で吹きながら、



「白百合姫」




と、いってやる。


「は?」


「白井ゆりん家だよ、俺の居候先」