はーっとため息をついて、いい加減黙らない高梨の頭を

ひっぱたいてやろうか、と思ったその時。


教室中が、ざわざわと騒ぎ始めた。

クラスのやつらは興奮気味に、教室の窓から校門を見下ろしている。


「白百合姫だ!今日も綺麗っ」

「でも珍しいねこんなに遅い時間に」

「はーどうやったらあんなに肌白くなるんだろー」



白百合姫───白井のこと、だよな。


ちょっと見たい気分にもなったけれど、

高梨にからかわれるのは嫌だったので、くっと堪えて、


「なー教えろってー」

と、いまだに駄々をこねるあほな友達に、教えてやることにした。