「ありがとう！！上原くん！！すっごく助か....」
「その必要はないよ」
私の台詞を突然遮ったのはこの場にいないはずの黒沢くんのやけに爽やかな声。
驚いてすっごい勢いで声の方へ振り向けば、そこにはにこやかな笑顔を浮かべる黒沢くん姿があった。
なっ、何でこんなところにいるんだ....？
「人手は二人で十分足りてるし、何より俺たちじゃないとできない仕事なんだ。ねぇ、梨本さん？」
状況について行けてない私なんかお構いなしに、爽やかな笑顔を浮かべたまま黒沢くんはびっくりするくらい流暢に上原くんに嘘をつく。
そして反論しようとした私に口裏を合わせろと言わんばかりにっこり。
