side茜





春がきた。



満開の桜と少しだけ暖かい風が春を連れてきた。



あれから1ヶ月。


上原くんとは話す機会もなく、クラスも変わり、接点もなくなった。





あんなに一緒だったのに、別れて離れられるのはこんなに簡単だなんて。





「梨本さん、おはよ」




「おはよう、黒沢くん」






いつものうさんくさい笑顔の黒沢くんに挨拶をされ、私も挨拶をする。




なんと、2年からはコイツと同じクラスなのだ。




何もかも黒沢くんの思い通りな気がしてあまりおもしろくない。