そんな私の姿を見て、黒沢くんは呆れたように笑い、言った。





「そんな梨本さんを守ることすらできない顔だけいいオタクなんて辞めて俺にしなよ?そんなやつが彼氏で辛くない訳?」





上原くんを攻めるその内容に助けてもらった恩はあるが、若干ムカつく自分がいる。





「何言ってるの?確かに上原くんは重度のオタクで、何度も期待は裏切られてきたけど、それでも、私は上原くんがいいの」





私は上原くんが好きだから。


どんな上原くんだって愛おしいのだ。





「ふーん。ま、その内俺に泣きつくことになると思うけどね」





強気で睨む私におかしそうに微笑むと黒沢くんは旧体育館から出ていった。