「あたしは…どうすればいいんですか?どうすれば記憶を戻せるんですか?」 「記憶を戻す代表的な方法は、思い出深いものをみたり、思い出を話してもらったりすればなおります。」 「そ…うですか」 「家族と過ごせば記憶を戻すことがあるかもしれません。なので今日は簡単な診察の後、退院してもらってかまいませんよ。」 「………」 いきなり…退院。 どうしようもない不安が押し寄せてくる。 「わかりました。先生ありがとうございます!」 男の子がお礼を言い、あたしは看護師さんに案内され診察へと向かった。