『っへ?』
てっきり殴られるのかと思った私は
つい間抜けな声をもらしてしまった。
「ねぇ?名前なんていうの?」
って…
この人一体何言ってるの?
まさかっ仕返しするために?!
『夢宮莉乃です』
そう思いながらも
無視したら後が怖いので正直に言った。
「そうなんだ。俺は田島俊ータジマシュンー」
彼はニカッと笑った。
そうなんだって…
聞かれたから答えたのに…
当の本人はなんか、うん、
機嫌良さそうだし。
ほんとわけわかんない。
変な人。
まぁ蹴っちゃったのは私が悪いし、
謝ってここから離れよう。
ろくなことなさそうだもん。

