吐き出す愛







 何となく気まずい空気を残したまま、ゲームセンターから出た。

 外はすっかり日が暮れていて、空は半分以上が闇に染まっている。

 商店街の店先や街灯には明かりがともっていて、辺りをぼんやりと照らしていた。
 さっきまで居たゲームセンターは眩しすぎるぐらいの光を放っていて、一度振り返ったときに目を細める。

 有川くんは腕時計を確認していた。


「もう6時前か……。佳乃ちゃんって、門限とかある?」

「あっ、うん。一応、6時半に決まってるよ」

「そっか。じゃあ、もう少しだけなら大丈夫だな。最後に、俺のとっておきの場所に連れてってやるよ」

「とっておきの場所って?」

「それは着いてからのお楽しみ! ほら、早く行こうぜ!」


 何の躊躇いもなく手を差し出されるのは相変わらずだった。
 でもやっぱりそれに、いつしか自ら手を重ねる自分が居る。そして行き先を任せて流れを委ねるところは、今日一番の変化だ。

 最初はこの意味が分からないまま始まったデートを、嫌だと思ってたのになあ。

 彼のあとについていくデートに心が踊っているなんて、認めたくないけど……。
 それでもやっぱり、確かになっていく事実から目を逸らしたりは出来なかった。



「ほら、佳乃ちゃん。着いたぜ」


 有川くんに手を引かれるままついていくと、そこは公園の展望台だった。

 公園から林の中に伸びる階段を上り、その先にある高台。一応展望スペースとして設けられている場所だけど、寂れているので普段はあまり行く人が居ないのが現状の場所だ。

 私が住んでいる住宅街から近い場所にあるけど、思えばほとんど行った記憶がない。下の公園になら、幼い頃によく遊びに来ていたけど。

 そんな物珍しい高台に到着すると、冷たく吹き付ける風に出迎えられた。