吐き出す愛







 水族館から出たあとは、近くの海沿いの道を歩いた。

 どうやら水族館の周りは散策コースとしても整備されているらしく、程よく自然が残った風景が広がっている。


「砂浜、降りてみる?」

「うん!」


 砂浜より少しだけ高いレンガ道をしばらく歩いていると、海を見つめて有川くんがそう提案してきて。
 青い海をもっと近くで見たいとちょうど思い始めていたから、笑顔でそれに頷いた。

 手を引かれながら白い砂浜に足を踏み入れる。
 太陽の光を吸収した白さが眩しい。むっとした熱を足元から感じる。

 歩くたびに身体の重みで、足が少しだけ砂の中に埋もれた。サンダルと足裏の間に砂の粒が入り込んでざらざらする。

 でも、そんなことは気にならない。

 気付くと二人ではしゃぎながら、海に向かって下る砂浜を走っていた。
 波打ち際で足を止めると、ちょうどやって来た波によってあっという間に足が浸かる。


「わあ、冷たーい! 気持ち良いねー」

「確かに、結構気持ち良いな!」


 想像よりも透明度が高い海水にテンションが上がる。

 レンガ道も砂浜も日陰がなくて暑かったけど、さすがに波打ち際にまで来ると体感温度が変わっている。

 何より、足を濡らす海水が冷たい。その冷たさのおかげで、火照った身体の熱も引いていくみたいだ。

 良かった、今日はショートパンツにしておいて。脛まで濡れても気にならないから。

 浅瀬でパシャパシャと波を踏んだり蹴ったりする。
 蹴って跳ね上がった海水が有川くんにかかると、わざとじゃないのに跳ね返された。


「ちょっと! 顔にまでかけないでよ!」

「いいじゃん。どうせすぐ乾くし。ほらっ!」

「わあっ……!」


 有川くんは足だけではなく手でも海水をかけてくる。
 焦って逃げる私を見て、けらけらと笑っていた。