木漏れ日のように明るく柔らかなライトが水槽内に降り注いでいて、珊瑚や海藻の周りを、色彩豊かな熱帯魚たちが優雅に泳いでいる。
まるで、南国の海でダイビングをしているような光景だった。
目を奪われる光景に魅了される。
興奮しながら有川くんの手を引き、水槽の真ん前にまで近付いた。
「見て見て有川くん! あの小さい魚すごく可愛いよ! あっちで泳いでる群れも綺麗だし――」
「ぷはっ!」
えっ……?
目につく魚を指差しながら夢中になっていると、突然有川くんが吹き出した。
くくっと笑っている彼に驚いてきょとんとする。
あんなに魚に夢中になっていたというのに、私の視線はもう、有川くんから離せなくなっていた。
「ははっ! 佳乃ちゃん、いきなりテンション上がりすぎだろ!」
「だ、だって! すごく綺麗だったから……」
思い返すと、確かにさっきは興奮しすぎたと思う。直前まで沈んでいたのだから、言われた通りいきなりだったわけだし。
……何だか、今になって恥ずかしくなってきたかも。
ちょっと、騒ぎすぎたかもしれない。
羞恥を覚えて顔に熱が集まる私に、有川くんは何故か嬉しそうに笑った。
「別に恥ずかしがらなくてもいいじゃん。さっきはつい笑ったけど、俺、そういう佳乃ちゃんの反応好きだよ。綺麗なものは綺麗って言えたりするところ」
「っ、……」
突拍子もなく言われた“好き”の言葉のせいで、今度はまた別の意味で顔が赤くなった。
特別な意味などなく言われたのだと分かっていても、ドキッとしてしまう心が恨めしい。
「やっぱ、佳乃ちゃんと来て良かったなー。素直に楽しんでもらえると嬉しいよ、新鮮な感じがして」
……あれ、いつだっただろう。
有川くん、前にもこう言って笑ってくれた気がする。
目の前の笑顔が懐かしい記憶と重なって、温かいけど切ない気持ちになった。



