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「佳乃さー、何かあったの?」
……私、顔に出やすいタイプなのかもしれない。
ちえりに険しい面持ちで尋ねられて、ふとそう思った。
……っていうか、ちえりが敏感なだけかもしれないけど。
「……別に、何もないよ?」
誤魔化すように笑顔を作って、スプーンで掬ったアイスクリームを口に含む。
メニュー表に新作と書かれていたそれは予想以上に甘くて、もともとすっきりしていなかった胸がやけに重くなったような気がした。
今日は日曜日。
有川くんと食事をした日から1週間が経った。
あれから一度も会っていないし、連絡すら取り合っていない。
もしかしたら有川くんから連絡が来るかなって期待も抱いたけど、それは3日が経った頃に砕け散った。
実際は、砕かれたというよりも、自分で砕いた。
有川くんにまた会いたいと思っている自分を、認めたくなかったから……。
それでも、小さな葛藤は私の中で残ったまま。
会いたい……いや、そんなわけない。
そんな意思を浮かべては打ち消すという堂々巡りのことをしている間に、次の日曜日が訪れたわけだ。
今日はちえりに誘われて、ショッピングモールで半日を潰した。
そして今はアイスクリームショップの脇の席で、休憩をしているところ。
さっきの質問は、その最中に投げかけられたものだった。
「ぜーったい、それ嘘でしょ? 何もないなら、様子がおかしいわけないもん!」
休憩のお供に食べているアイスクリーム。
ちえりは早くもそれを食べ終えていて、カップをテーブルに置くと、スプーンの先を私に向けて断言する。
力強い眼差しはとっくに私の異変を見抜いているみたいで、やっぱり鋭いなあって思った。



