有り得もしない未来を想像すると、何だか悲しくなった。訳も分からないまま視界が滲む。
だけどそれを指先で拭い、ずんずんと前に進んでいく。
……たとえ、どんな選択をしたとしても。
私が自分の気持ちを認めない限り、きっと都合よく想像した未来になんてならないだろう。
だって私はあの頃から今日まで、自分の気持ちを認めてこなくて。
だからこそ今、こんなにも苦しくて悲しくなっている自分が居るのだから。
でもそこまで分かりきってるのに、やっぱり有川くんに抱く気持ちを認めたくないと意地を張ってしまうんだ。
……ねえ、この気持ちは何?
どうすることが、正しいのかな。
有川くんのことを考えるほど、胸の中で膨れ上がっていく。そして重たく、私にのし掛かった。
もう、この感情は。
言い訳しても誤魔化せないほど、大きくなりすぎてしまっていたらしい。
今更気付いても、どうしようもないというのに――。



