私は……どうしたいのだろう?
15歳のままで止まっている私は、彼の存在をどんな風に捉えていたいのだろう。
疑問と葛藤が、胸の隙間を支配する。
本来あるべきものがそこにはないのに、余計なものばかりがそこに埋まる。
苦しくて、息が詰まりそうだ。
――ピコン。
2人の間にだけ出来た静かな空間に、突如可愛らしい電子音が鳴った。軽い音に少しだけ気が抜けて、それから気分が落ち着く。
その音は、テーブルに置かれていたちえりのスマホから発せられたものだった。
丸見えの画面に、メッセージを受信したことが映し出されているので間違いない。
ちえりはおもむろにスマホを手にして確認する。その顔は完全に緩んでいた。だから大体、相手の想像はつく。
ついつい、からかいたくなった。
「あっ、一哉くんからの連絡でしょう? デートにでも誘われた?」
「まぁ、そんな感じ……って! 何で相手が一哉だって分かるの!? まだあたし、何も言ってないのに!」
「分かるに決まってるよー。だってちえり、一哉くんから連絡が来たって話すときはいつも嬉しそうな顔してるもん」
「そっ、そんなに顔に出てるの?」
「バレバレなくらいにね。嬉しそうだし、でれでれな感じになってるよ」
「でれでれって……!」
スマホを握り締めたままのちえりは、顔を真っ赤に染めて何度も口をパクパクと動かす。
本人は恥ずかしくて照れているのだろうけど、私から見るとそんな姿はとても微笑ましかった。
恋をしているちえりは、とても生き生きしていて輝いて見えるから。
ちえりには高2のときから付き合っている、幼馴染みの彼氏がいる。
同じ県内にある大学に通っている彼氏さんとは、どうやらとてもラブラブらしい。
休み時間によく電話やメッセージで連絡しているのは、私も知っていた。



