その時、ざわざわと会場が騒いだ。
不思議に思って舞台袖から顔をだすと
『んっ…』
「げっ」
このみと姫野がキスしていた
「うわー。昂やりすぎだろ。後でぜってぇ後悔すんぞ」
同じように舞台袖から顔を出していた山下くんは顔をひきつらせている
このみ、よかったね…
そう思うとまた涙が出そうになって、思わず山下くんをぎゅっとしてしまった。
そんな私の背中を優しくポンポンとしてくれる山下くん。
…山下くんはしてくれないのかな…
ふとそう思って顔をあげる
山下くんはそれに気付いたみたいでしばらくぼーっと私の顔をみて、急に顔を真っ赤にした。
私はなにも言わず、何もせず、ただじっと山下くんの顔をみる。
「…あー。あんまり煽んないでください…」
そう言うと山下くんの顔が近づいてきて…
ちゅっ
「…今はまだこれで…」
柔らかい感触がしたおでこに手で触れる。
目の前には真っ赤な顔の山下くん。
「へへっ!」
山下くん大好きっ!!!
なんて、口には出せないけどねっ