隣の席の姫野くん。






蓮見くんを追いかけようと私から離れていく山下くん。




「行かないでっ!!!!」





思わず山下くんの腕を掴んでしまった。



「橋田…」




怖い。今は一人になりたくない。



側にいてよ山下くん…




山下くんはカタカタと震える私の手にそっと自分の手をのせると




「…っ!」



自分の胸の中へと私を引っ張った。





遠慮がちにぎゅっとされる。




「…一人にして悪かった。…怖かったよな?もう、一人にしねぇから」



そう言うと私の頭をポンポンと撫でる。




優しくて暖かい山下くんの体温に涙がでてきた。




「…っ。ふっうぅ…」




「もう大丈夫だから…」




山下くんは私が泣き止むまでぎゅっとしてくれた。