隣の席の姫野くん。





「来るわけないだろ?」



低くなった蓮見くんの声にぎゅっと目を閉じた



「騒ぐ望ちゃんにはお仕置きが必要だね」




…こ、こわい!!!!!








でも、いつまでもお仕置きが下されることはなかった。





「お仕置きされんのはどっちだろうな?蓮見」




あぁ。この声…




安心感で涙が溢れた。




「お前…なんで」




目を開けると手を掴まれている蓮見くんと、相変わらずの真顔で手を掴んでいる山下くんがいた。





「お前がペラペラ喋ってくれたおかげで間に合ってよかったよ」



ふっと笑った山下くん




どういうこと???




「橋田。ケータイ出してみ?」




優しい山下くんの声に私はケータイを出した。




「…あれ?」




「…っ!お前!!!切ったんじゃなかったのかよ!!!!」




私のケータイはなぜか通話中になっていた



もちろん、相手は山下くん。





「どうせ早く切れとか言って焦らせたんだろ?橋田は確認もせずに切ったつもりになってた。でも、そのおかげでここがわかったんだけどな。」




つまり、さっきのやりとりが全部山下くんに聞かれてたってこと?