「や…めて…」




かろうじて出た声。



今出る精一杯の力で蓮見くんの胸を押してみる




でも男の人の力に勝てるわけもなく、しかも体の小さい私なんかは敵うわけもない。




「そーだよそれ。やっと楽しくなってきたな」





「っきゃ!!!」




背中がひんやりとして冷たい。




「怖がってる顔、かわいーねえ」




ゆっくりと蓮見くんの手が近づいてきてメイド服のリボンがするりとはずされた




「…や、やめ」




どうにか拒もうとすると私のポケットから着信音が鳴り響いた。




「今からお楽しみなんだから、切ってよ」



きっと、山下くんから電話だ。



助けてって言いたい。



ここにいるからって叫びたい。




「早く」




…でも、目の前にある冷たい顔が怖くてそんなことできなかった。




ピッ




ポケットに手を入れて画面も見ずに切った。





もう…助けてもらえない。



このまま蓮見くんと……